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ハルヒとか

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ハルヒSS 『ツイン』

  ツイン



ある冬の一日のこと。
あたしの目の前、つまりキョンの席は空いていた。
出席をとっている時岡部は風邪で休みだと言っていた。
キョンが休むなんて。なんとかは風邪引かないんじゃなかったのかしら。
前の席が空いているとなんとなく落ち着かない。
学校を休むなんて。部活を休むなんて。
何で学校に来ないのよバカキョン。

「涼宮さん」
昼休み、学食を食べに行くために教室を出ようとしたら
キョンの友人の一人、国木田があたしに話しかけてきた。
「キョン昨日体調が悪いとか言ってた?」
「……頭痛がするとは言ってた気がするわ」
多分。
「やっぱり」
国木田は後ろに隠れていた谷口を見て溜息をついた。
「やっぱりって? そこのバカと何か関係あるの?」
「ば、ばかとは何だ!」
「ほら谷口、ちゃんと話しなよ」
谷口は咳払いを一つして話し始めた。
「あー、実はな。おとといキョンと朝から遊ぶ約束してたんだよ」
ふむふむ。
「それが俺、寝坊しちゃってさー。キョンのこと3時間も待たせてたんだ」
はははと笑いながら谷口は話す。……おととい?
「おとといって……雨のち雪だったわよね」
「寒過ぎて死ぬかと思ったって言ってたな、キョン」
……そりゃ、風邪引くに決まってるじゃない。キョンもこいつもバカなのかしら。
「……で、何でそれをあたしに言うの?」
「今日の涼宮さん寂しそうで、谷口が気にしてたんだよ」
「ば、バカ言うな!」
寂しそうだった? あたしが?
それじゃあ、と国木田は何か言ってる谷口を無視して自分の席に戻った。
それに続いて谷口も国木田の席に行く。今日は国木田の席でお弁当を食べるのだろうか。
あたしもさっさと教室を出て食堂へと向かう。
あたし、そんなに寂しそうに見えたのかしら。
別に寂しくなんかない。ただ、キョンがいなくて何か物足りない気がするだけ。
別に、別に寂しくなんて。寂しくなんて、ないわよ。
……キョン、今何してるんだろう。
放課後家に寄ってみようかしら。

「キョン君、お休みなんですか?」
お茶を沸かしているみくるちゃんにキョンの欠席を告げると、繰り返した。
校内放送じゃないんだから繰り返さなくてもいいわよ。
「ええ」
「そっかー……寂しいですね」
「……そう?」
「はい」
みくるちゃんはキョンがいなくて寂しいらしい。
「確かに彼がいないというのは、何か物足りない感じがしますね」
ボードゲームを片付けながら古泉君が言う。
せっかく準備していたのに。
「そうね。あたしも物足りない」
外を見ると、雨が降っていた。
昨日は確か曇りだった気がする。最近は雨が多い。
早く風邪なおしなさいよ、バカ。

部活を30分ほどはやく終わらせ、あたしはキョンの家を訪ねた。
二回目のチャイムを鳴らしてから10秒ほどでキョンが扉を開ける。
「遅いわよ」
「今家に誰もいなくてな……すまん」
「結構元気そうね」
「もう熱は下がった。悪いな、雨なのに家にまで来てもらって」
「……暇だったから」
傘で自分の顔を隠す。なんか、こそばゆい。
「明日は部活出れるの?」
「ああ」
「そう」
よかった。
顔を隠したまま一人で笑う。
「悪かったな、心配させて」
「し、心配なんてしてない。団員の健康管理は団長の役目なのよ」
「そうかい」
「じゃあ、またねキョン」
「ああ」
キョンの家から一歩ずつ遠のく。こっそりとキョンの家の方を見ると、扉は閉まっていた。
もう一度扉が閉まっているのを確認して、スキップのようにあたしは走り出した。


「ミーティングを始めます!」
今日は朝からハルヒに振り回された。
昨日のことを責められ、罰として次の不思議探索は
あんたが最後じゃなくてもおごりよなんて言われて。
「よかったです。今日はあなたがいらっしゃって」
「別に俺が休んだって困らないだろう」
「そんなことありません」
古泉はいつも大げさだ。
「昨日の涼宮さんは、とても寂しそうでしたよ」
「そうか?」
俺の家に来た時は元気そうだったが。
「あなたがいなくて寂しかったのでしょう。
僕も元気そうな涼宮さんが見えて安心しています」
そういえば、国木田や谷口も今日のハルヒは元気だと言っていた気がする。
「……そうかい」
団員の健康管理は団長の役目、か。
次の不思議探索の時は、素直におごらせてもらうとしよう。
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