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ハルヒとか

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ハルヒSS『彼女の周り』

初めてのSOS団以外が主人公のSS。
一応国木田視点となっております。
国木田難しい。
そして久しぶりに書いたからか、ハルヒとかキョンのキャラもいまいちつかめなかった。


『彼女の周り』


谷口はキョンの事を不憫な奴だと言う。

「涼宮に振り回されて、本当に不憫な奴だぜ」
「僕には、楽しんでるように見えるけどなあ」
「楽しんでる? 冗談はその成績だけにしてくれ」
「谷口よりは良いよ……」
「そう言うことだよ」

谷口は手をひらひらと僕に向かって振って、自分の席からノートをとってきた。

「てわけで、また宿題写させてくれよな」
「はあ……」

谷口には、本当に楽しそうに見えないのだろうか。
キョンはあんなにも楽しそうなのに。

  ・

「ねえキョン」
「ん」
「最近どう? SOS団は」
「今更そんなことを聞いてどうするんだ」
「別に……気になっただけだよ」

キョンは涼宮さんの席をちらりと見て、特に変わりはない。と言った。
キョンはいつもsos団をうっとおしそうに言ってるけど、本当はどう思っているんだろう?

「いつも通りハルヒが騒いでるだけさ」
「そっか」
「興味があるなら、仮入部くらいならさせてやれるぞ」
「そういうわけじゃないんだ」

僕は別にSOS団に入りたいわけじゃない。
ただ、あのキョンが楽しめる……という言い方は失礼だけど、そんな部活が
一体どんな部活なのか気になっただけなんだから。

「暇なら、来るか? 放課後」
「え?」
「ハルヒに言えば大丈夫だろ」
「いいの? 言っても」
「それはアイツに聞いてくれ」

ちょうどドアから入ってきた涼宮さんを指してキョンは言った。


「いいわよ、別に」

涼宮さんは意外にもあっさりとそう言った。
絶対に断られると思っていたのに。
それか、しばらく考え込まれると思っていた。

「来たいならくればいいじゃない。断るなんて勿体ないことしないわよ」

キョンもそのあっさりした涼宮さんに驚いたようで、呆気にとられていた。
とにかく、僕はSOS団に見学に行くことになった。

  ・

「ふえ、え、お客さん……ですか?」
「俺の同級生の国木田です」
「あ、あの、映画の時の……?」

文芸部部室のドアを開いて最初に目に入ったのは、可愛らしいメイドの恰好をした朝比奈さんだった。
文化祭の時のウェイトレスや、映画の時の恰好も似合っていたけれど、この恰好が一番似合っているかも。
そういえば、この恰好をした朝比奈さんを見たのは初めてかもしれない。

「こ、こんにちは」
「こんにちはあ、今お茶入れますね、座っていてください」

僕はキョンの座っている隣のパイプ椅子に腰をおろして、朝比奈さんのお茶を待った。
涼宮さんの座っている席の奥には小柄な女の子が座っていた。
長門さん……かな? 確か成績がすごく良かった気がする。

「国木田」
「何?」
「オセロでもするか?」
「うん、やりたいな」

キョンは棚からオセロを取り出して、僕の向かいの席に座った。
僕は黒で後攻、キョンが白で先攻となる。

「そういえば、もう一人は? 古泉君……だっけ」
「ああ、そういえば遅いな」

パチン、とオセロが白に染まる。
キョンは何気に勝負事に強い。

「クラスがクラスだし、特別補習とかでもやってるのかな」
「そういえばそうだったな、九組は」

もうすぐで僕たちも二年生だし、勉強の総復習みたいな事でもやってるのかな。

「遅くなってごめんなさい、どうぞ」

朝比奈さんから良い香りのするお茶が差し出された。
キョンはいつもこんなにおいしそうなお茶を飲んでいたのか。
そう思うと、キョンへの羨ましいという気持ちが、倍に膨れ上がった。

「いいなあ、キョンは。いつもこんなに美味しそうなお茶を飲めて」

涼宮さんが満足そうに僕を眺めている。
僕は苦笑いをして、お茶をすすった。
……美味しい。

「どうですか?」
「……すごく美味しいです」
「良かったあ」

その時僕に向けられた朝比奈さんの顔は谷口に自慢したくなるようなものだった。

「おや、お客さまですか?」

ドアが開かれて、入ってきたのは古泉君だった。

「お邪魔してます」
「お久しぶりです」

彼は僕の隣の空きのパイプ椅子を引いて、僕とキョンのオセロを眺めるように間に座った。

「どうぞ、続きを」

そう言われてオセロを再開する。
ううん……キョン強いなあ。


すぐに僕の負けが決まって、古泉君と席を交換した。
古泉君とキョンなら、互角かもな。
気になって、涼宮さんの方を見た。
涼宮さんはパソコンの画面を一生懸命見ている。
いつもなら話しかけないが、今日は気になって話しかけてしまった。

「何してるの?」
「サイトの更新よ。国木田も家に帰ったら見なさい、あたしのSOS団の公式サイト」

タンッ、とキーボードを叩く音がして、涼宮さんはパソコンからやっと目を離す。
僕と目が合うと、にやっと笑った。……ような、気がする。
なんか、SOS団での涼宮さんは教室の涼宮さんと違う。
なんというか……解放されてる感じだ。
キョンも、教室とは違って柔らかく感じる。
よく見たら、他の人も。
長門さんは近寄りやすく、古泉くんは開放的に、朝比奈さんは意外にもしっかりしていて。
皆、僕の思っていた印象と違うな。
もっと固い部活だと思っていたのに。

なんだ、楽しそうじゃないか。

――パタン。
長門さんが本を閉じた。時間を見ると、部活終了時刻。
皆一斉に席を立って、片づけを始める。
僕も片づけを手伝おうとすると、

「ねえ」

「――どうだった、一日見学してみて」

涼宮さんが悪そうな顔で僕に訪ねてくる。
……どうだった、かあ。

「そうだね……、違ったかなあ」
「違った? イメージと?」
「……うん」

良い意味で、だけれど。
でもそれは言わない。ちょっと悔しかったから。
こんなにも良い部活を作った涼宮さんが、羨ましい。
皆、ここでは落ちついて好きな事をしている。
そんなことあまりできないもん。

「また暇だったら来なさい、いつでもいいわよ」

涼宮さんは、笑顔で――そう、言った。
その後ろではキョンが困ったように笑いながら溜息をついていた。

……なんだ。
やっぱり、すごく楽しそうじゃないか、SOS団って。
キョンがあんな顔をしているのが、一番の証拠だ。
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