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ハルヒとか

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ハルヒSS『ほしおちる』


久しぶりに。
メルマガ全然配信してないなあ……。

古ハルです。古ハルよりキョン×ハルヒ←古泉が好きです。
でも象さんの方がもっと好きです。

2年生の七夕設定。


ほしおちる


「古泉くん、こんな話知ってる?」
「はい?」
「木の下で話をしていたカップルの目の前に星が落ちてきて、その星に女の人が連れて行かれたの。
そしてその女の人の後を追って男の人も空へ飛び立ったって話」
「……なんですか、それ」

ちょっと吹きかけた笑いをごまかす。
今日は七夕。今は夜。涼宮さんと学校の屋上で居残りだ。
彼女がやりたいことがあるというのでついてきたが……。

「涼宮さん、ところでやりたいことって……」
「もーちょっと!」

外はもう暗い。時間は……7時。今日は雨の降りそうな天気で、空も近い。
こんな日じゃ天の川も見れないな。最後に見たのも覚えてないけど。

「あと少しなのよ」
「あと少し……ですか」
「あ……古泉くん! 上!」

晴れやかな透き通る声で彼女に名前を呼ばれる。
その声を合図にでもしたかのように、だんだん空が明るくなる。

「――あ」

舞台のカーテンが開くように、ゆっくりと雲が動く。
雲の隙間からは綺麗な無数の光が。

「見て、天の川!」

目に焼きつくほどの光。
瞬きをしても離れない。星って、こんなに綺麗だったっけ。

「屋上に来たのはね、この笹を飾るためなの」

そう言って今日、柵に立てかけられた、部活の時間に書いた皆の短冊が吊るしてある笹の葉を指さす。

「一日でも空に近い場所に置いておいたらきっと早く願いが届くわよ」
「今日は、空が近いですもんね」

ざあ、と風が吹いて笹が揺れる。
その時、見覚えのない色の短冊が笹の上の方に見えた。
誰のだろう、これ。
その短冊を持って覗くと、涼宮さんが「あっ」と声を上げた。

『皆の願い事が叶いますように』

――あ。

「こ、古泉くん!」
「誰のでしょうね、これ」
「……うえ?」
「僕らが書いてた時には誰もこれを吊るしてなかった気が……」
「あ、ず、ずっと屋上においてたから誰かが勝手に飾ったのかもしれないわね!」
「そうかもしれません」

笑いをこらえて、短冊を手から離す。
素直になれない、それでも素直な。
心からそう思ってるんだろう、彼女は。

「……彼は、本当に勿体ないですよね」
「? 誰の事?」
「何でもないです」

本当に、本当に損してる人だ。彼は。
すぐ隣の幸せに気付けない。隣の芝は青いってやつだろうか。

「今日はね、古泉君と一緒に天の川を見たかったの。あと、副団長として一緒に笹の葉を飾りにね」
「僕……ですか?」
「本当は全員で見たかったんだけど、みくるちゃん受験勉強があるかなあって。だから代表で古泉くん」
「……ありがとうございます」
「ごめんね、無理させて」
「いえ……嬉しいです」
「にしても、本当にすごい星ねー」

彼女が腰に手を当てて空を見上げる。僕も空を見上げる。
そこにはやっぱりたくさんの星があった。
流れるように、きらきらと光りながら。

「ちゃんと願い事しなきゃ! やるなら絶対一番に叶えてもらうんだから!」
「叶いますよ、きっと」

僕の目を見て、涼宮さんは自信に充ち溢れた顔に変わる。

「絶対よ!」

絶対。絶対、願い事は叶う。
彼女の笑顔を見ると、それも現実になりそうだ。
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