ゆるむ

ハルヒとか

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一番の宝物

ABSS。
なかなかキャラがつかめないまま書いてしまったので違和感を感じると思いますが……。
ユイひなです。始まり編。
気が向いたら続く。無理やり締めちゃったんで……。


『一番の宝物』


ガシャーン。

あ、やばいな。
公園で友達と野球をしていると、俺の打ったボールが民家に入っていった。
それに気付いたのは、何かが割れた音で。
多分……ガラスが割れた音だろう。

「おい、日向……」
「……取ってくるよ」

心配そうな友人に背を向けて走り出す。
あー、やっちまった。
にしてもこのシチュエーション、何か覚えがある気がする。
……ま、気のせいだろう。


家のチャイムをならすと、30代くらいだと思われる女性が出てきた。

「あの、すみません、ここにボールが飛んできたと思うんですが……」
「ああ。あなたの……」
「本当にすみません」
「いえ、いいのよ。ボールは部屋にあるから、ついてきてもらっても良い?」
「はい」

優しい人で良かった。
少しほっとして、その部屋に進む。
そして部屋に入ると、

「……お母さん、誰?」

女の子がいた。
ベッドに横たわっているピンク色の髪をした少女。

「そのボールの持ち主さんよ」
「あ……これ?」

そう言って少女はベッドの横に落ちているボールを見た。

「これ、あなたのだったんだ」

布団に入ったまま、動こうともしない。
布団から……出れないのだろうか。
俺は歩いて、少女の目の前へ行く。

「聞こえたよ」
「え?」
「あなたの笑い声」

にっこりと笑って、言った。

「いつも遊んでるよね、あの公園で」
「ああ……友達と、野球してて。うるさかったか?」
「ううん。楽しそうで、いいなあって思ってた」

つい、少女の体に目が行く。
具合が悪そうには見えない。
そしてさっきから見ている俺に気付いたのか、少し笑って、話し始めた。

「私、動けないの。ちょっといろいろあって……」
「そうなのか……」

気づいたら部屋にさっきの女性の姿はなかった。

「さっきの人、母親か?」
「うん。お母さん。お母さんにはいつも迷惑かけてばかり」
「名前は?」
「お母さんの?」
「違う。お前のだよ」
「私? ……ユイ」
「俺は日向。よろしくな」
「……うんっ」

ユイは笑って、言った。
調度いいタイミングで母親が入ってくる。
手にはお茶を持っていた。

「良かったら……」
「あ、ありがとうございます。……すみません、ガラス」
「いいのよ。気にしないで」

ユイの母親に貰ったお茶を飲んで、床に座らせてもらう。
ユイはねえねえ、と興味津津に俺に話しかけてくる。

「野球って楽しい?」
「ああ、すごく楽しいよ」
「ねえねえ、見てみたいな。野球やってるとこ」
「見せてやるよ」
「本当?」
「ああ、約束だ」

嬉しそうに笑うユイを見て、ユイの母親は涙をこらえるように下を向いて、部屋をまた出て行った。

「……ユイ」
「ん?」
「また来ていいか?」
「うんっ!」
「今度、外連れてってやるよ。それでさ、野球してるとこ見てくれよ」
「良いの? 友達に迷惑じゃ……」
「大丈夫だよ、そんな奴じゃないから」

その後もユイとたくさん話をした。
ほとんどが俺の話だったけれど、ユイは楽しそうに話を聞いてくれる。
ユイと話すのは、とても楽しかった。

「……じゃあそろそろ帰るか」
「また……また、来てね」
「明日、来れたら来るよ。何か美味しいもの持ってきてやる」
「ありがとう、楽しみ」

玄関に向かうと、ユイの母親がいた。

「今日は本当にすみませんでした……それで、あの」
「また、来てくださいね」
「えっ?」
「あの子、今日久しぶりに笑ったんです。いつもは申し訳なさそうな顔ばかりで……」

目に涙を浮かべて、ユイの母親は話す。

「……はい。また来ます。絶対」
「……ありがとう、ございます」

泣きそうな顔で、ユイの母親は俺にお礼を言った。
まさか、言おうと思ってた事を先に言われるなんて。

家に帰るまでに、明日はユイに何の話をしようかと考える。
ユイの笑ってくれる、元気になってくれる話を。
そうだ、俺の友達の話でもしようかな。
元気な女の子と、その女に惚れてるアイツと、小さくて可愛い女の子。
それといつも生意気だけれど一人だけには懐いているアイツ。
――あと、俺の親友の話とか。
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