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ハルヒとか

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ハルヒSS『あったかい背中』

古長が書きたい。
自分が書いたことのないカップリングってなんだろう。SOS団で。
キョンとみくるだけかな?

欠席ネタは前も書いたけど、今回はなんとなくキョンで。
もう少し長く書いて、キャラの心情描写細かくしたいなあ。

キョンハル


『あったかい背中』

地球がそろそろ溶けそうなくらい暑い日だった。
先週まで七夕にはしゃいでいたハルヒの姿が、今日は見えない。
俺の後ろの席はむなしく空いており、それだけで状況を理解した。
欠席。
珍しい。ハルヒが欠席なんて。
それは他の奴らも同じ気持ちらしく、谷口が授業の前に話しかけてきた。

「珍しいなあ、おい」
「そうだな」
「まあいいじゃねえか。今日は静かな一日を過ごせそうで良かったな」

肩に置かれた手からは、憐れみが伝わってくる。

「さっさと席に戻ったらどうだ」

手を振り払うと、谷口は嫌な笑いをして帰った。
なんだ、あの笑い方。気味が悪い。



今まで気にしたことがなかったが、後ろの席が空いているというのは
なんだか変な感じだ。ここ最近、席替えで一番後ろの席を当ててないしな。
後ろからシャーペンを走らせる音も、寝息もしない。
それだけのことがなぜこんなにもおかしな感じがするのだろう。

「おい、キョン。聞いてるか?」
「……悪い、何だ?」
「なんだよ、今日一日何回も涼宮の席見てやがって。そんなに寂しいか?」
「んなわけないだろ。そんなに見てもいない」
「嘘つけ」

谷口の戯言をよそに、俺は弁当箱に綺麗に詰められている卵焼きを一つ、口へ運んだ。
……味がしない。

「あ、そうだキョン。今日はSOS団……だっけ、その活動ないよね?」
「ん、んー……」

国木田の一言に、ちょっと動揺した。
そういえばそうじゃないか。今日はハルヒはいない。
なのに、行く気だった。

「……いや、あるんじゃないか?」
「そっか、久しぶりに一緒に帰ろうと思ったんだけどな」
「お前は本当に変な奴だな」

谷口よりは変な奴ではないと思いたい。
俺はまだあいつとは同類ではないはずだ。

「いいからさっさと飯を食え、時間ないぞ」
「うお、まじかよ」

谷口が昼食をとることはなく、昼休みは終わった。



「じゃあね、キョン」
「おう」

国木田に挨拶を返し、俺も教室を出る準備をする。
……そういえば、今日は長門はコンピ研に居るって昨日言ってたな。
「おい、ハル……」

ヒ。と後ろを振り向いたが、そこは無人の机と椅子があるだけだった。
そういえば欠席だったな。
言いかけた言葉をひっこめて、俺は教室を出た。


「心配ですね」

向かいの席に座る古泉が、ハルヒの欠席に対して言う。

「あいつのことだから、ウイルスが勝手に逃げ出すだろ」
「でも、珍しいですね~……。お見舞いとか、行った方がいいのかな……」

こんなに朝比奈さんに心配されて、俺はハルヒが羨ましい。

「大丈夫ですよ、すぐに良くなりますって」

朝比奈さん以外の誰かを慰めるように、俺は言った。

「長門さんもいないことですし……、今日は解散しますか?」

古泉の提案に俺も朝比奈さんも頷き、俺と古泉は先に部室を出た。

「用事があるから先に帰るぞ」
「分かりました」

いつもなら朝比奈さんをこんな奴と二人にさせられないが、今日は仕方がない。
感謝しろ古泉。

いつもより一歩一歩を多めに、学校を出た。
早く用事を終わらせたくて仕方がない。
坂道を降り切ったところで、携帯を取り出す。
あいつの携帯の電話番号は、いくつだったかな。



あわただしく携帯が鳴る。
うるさい。誰だろうこんな時に。

「……はい、もしもし」
『ハルヒか』
「……キョン?」
『当たり前だろ』
「何よ、なんか用事?」

毛布をはぎ取って、ベッドの上に正座をした。
キョンから電話がかかってきたのは初めてだった。
設定したきり鳴らなかった着信音。
そういえば、この着信音は……キョンだけに設定したんだった。

『用事ってわけじゃないんだが……』
「じゃあなによ」
『体調はどうだ?』
「もう平気。熱は下がったわ。明日は……行けると、思う」
『そうか』

……。
あたしもキョンも黙る。この沈黙は緊張のせいだろうか。

「……キョン」
『なんだ』
「……あたしがいなくて、寂しかった?」

……あ、何を聞いてるんだろう。
言ったあとに冷静になる。何でこんな変な事を聞いたんだろう。
熱でおかしくなったのかしら、あたし。

『……寂しくはなかったさ』
「……そっ」

当たり前の、予想していた返事なのに。
こんなに寂しいのは、風邪の効果と、家にあたし以外誰もいないからだろうか。

『あー……でもな』
「何?」
『お前がいないと、背中が寒いんだ』
「は?」

夏なのに何を言ってるんだろう。

『後ろから音がしなくて、変な気もする』
「そう……」
『SOS団も静かで、朝比奈さんも古泉も寂しがってた』
「あんたは薄情者ね」
『しょうがないだろ。……ハルヒ』
「何よ」

『早く元気になれよ』

「……」
『……』
「……言われなくても、もう元気よ」
『そうかい』
「……あ、ありがと、キョン」



早口で最後に何かを言われたかと思うと、急に電話が切れた。
あいつ、最後に何を言ったんだ?
……まあ、今は気にすることでもないだろう。
明日はハルヒが来るんだし、その時にでも。

明日は、背中が暖かくなるように。そう願う。
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